風車の丘保育室の子ども達が大好きな『ぽんたのじどうはんばいき』のお話。
お散歩で赤や黄色のきれいな葉っぱを見付けると「これぽんたにあげる!」と大切に持ち帰り、
保育室に帰ってきたら“ぽんたの自動販売機”に入れることが毎日の楽しみです。
「さんま」「やきいも」を炭火で焼き、おやつに頂いた日には「ぽんたにもあげよう♪」と、こちらも販売機に…。
しばらくしてお礼の手紙が届きました。
決して姿を見せないぽんた。「恥ずかしいんじゃない?」とMちゃん。
想像力豊かな子ども達、頭の中で“ぽんた”のイメージがどんどん膨らんでいるようです。
11月の親子参加会の時に、絵本のお話と全く同じ自動販売機をママの会社で見付けました。
その後もお散歩で販売機があった場所を通る時には、いつも気にして覗いています。
ある日のこと「あっ、赤いのぽんたじゃない?」「絶対そうだよねー」とHちゃん。一番に走って駆け寄ったTちゃんが販売機の前で止まっています。
「なんかついてる…」この前とは違う張り紙があります。
絵本と同じ!きっとぽんたは、歯が痛いさるくんのために薬の葉っぱを取りに行っているのでしょう。
ぽんたのいない自動販売機…気になって葉っぱを入れてみたり何か出てこないか覗いてみたりしていたT君。
それから毎日「今日もママの会社にぽんた見に行ってみよう!」と子ども達。
保育室の窓から会社の方を見て「赤いのないね。」と確認する子もいます。
目に見えなくても「ぽんた」は保育室の大切な友達のような存在になっています。
そして数日後のお散歩、今日こそは!ドキドキしながら会社の回廊へ…
「赤いのあるよ♪」走って駆け寄り「ぽんたいるよ!」と大興奮。
大急ぎでぽんた印の葉っぱを探し(ぽんた印の葉っぱを入れるといいものが出てくるんです♪)自動販売機に入れてみると美味しいおやつが出てきました。
「やったー!」と大喜びする子、ちょっぴりドキドキ後ずさりする子、おやつをいただいた後、ぽんたと握手をしにいく子…反応は様々。それでいいんです。一人一人が心の中でぽんたへの想いをきっと膨らめているでしょう。
北風が冷たくなってきたこの頃。あれからお散歩中に「ぽんたのじどうはんばいき」を見かけることはありません。
「こっちにならいるかな?」いつも子ども達の中にはぽんたが存在しています。
秋が終わり、冬本番。ぽんたは今頃、山に戻って冬支度をしているのでしょうか。
秋の思い出はぽんたとの思い出。ぽんた、楽しい思い出をいっぱいありがとう♪
次は冬ならではのお楽しみがたくさん待っているでしょう。
『ぽんたのじどうはんばいき』 ひさかたチャイルド
作:加藤ますみ 絵:水野二郎
土戸