桃の節句

2月のある朝、子どもたちが登園してくると保育室に大きな雛壇が!

「わ~大きい!」「きれい!」と自然に子どもたちが集まってきました。

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朝の会では、お雛様やお内裏様、三人官女や五人囃子など、それぞれの人形の説明を聞きました。

「かっこいいね!」間近で見る雛人形に興味津々です。

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立派な雛壇。でも、あれあれ?よく見ると下の方の段には何も飾られていませんね。

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そこで、下の段に飾るお道具類や桜、橘の花などを、子どもたちに手伝ってもらい、完成させることにしましたよ!

「大切なものだから、そ~っと運んでね」とお話すると、好きな飾りを選んで、そ~っとそ~っと運んでくれました。

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そして・・・じゃじゃ~ん!完成です!

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素敵な雛飾り見て、子どもたちも、お雛様を作ってみることにしましたよ。

 

1歳児は、障子紙で染め紙をしたもので着物を作り、シールを貼って顔を作りました。

桃の花の形の台紙に貼り付けると、可愛らしいお雛様が完成しました。

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2歳児は、障子紙に水性マーカーで絵を描き、霧吹きで水をかけ、にじみ絵をした紙を、トイレットペーパーの芯にくるっと巻いて着物を作りました。

顔をつけ、金銀の色紙をちぎって飾りつけをすると立体的なお雛様が出来上がりました。

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幼児は、赤い色画用紙を毛氈に見立てて、自分たちで工夫を凝らしながら制作しました。

実際のお雛様の衣装や表情を見ながら、「目はこんな感じかな?」「冠の大きさはどのくらいかな?」など、細かいところまでこだわって仕上げる姿が見られました。

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出来上がったお雛様を玄関に飾ると、一気に華やかになりました。

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そして、いよいよ3月3日桃の節句。ぼんぼりに明かりを灯し、みんなで「うれしいひなまつり」の歌をうたいました。

「お雛様たちが聴いてくれてるよ。優しいきれいな声で歌おうね」と声を掛けると、いつもより優しい声で歌う様子に、お雛様を想う気持ちが感じられました。

桃の節句の由来や、菱餅、ひなあられなどについて、ペープサートを見ながら話を聞き、お雛様と一緒に記念撮影です。

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そして、その後は、お楽しみの雛あられを食べました。

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自分たちの作ったお雛様を見ながら、「病気や怪我をせずに元気に過ごせますように」と願っていただきました。「おいしい!」とポリポリ良い音をさせて、あっという間にぺろりと食べ終えていました。

 

ひなあられをおいしくいただいた後、幼児は、会社のレストランに、お雛様を飾ってもらうために、保育室を出発しました。

出会った方々に、「上手に作れたね」と褒めていただきとても嬉しそうでした。

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そして、園庭で遊んだ後は、給食に海老、卵、菜の花の入ったちらし寿司をいただきました。

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2歳児と幼児は自分たちで具材を乗せていただきます。すまし汁のなかにはお花の麩も入っていて、桃の節句の可愛らしいご馳走に子どもたちも大喜びでした。

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桃の節句を終え、「今日でお雛様はお家に帰ってしまうんだよ」とお話すると、「え~なんで…?」と少し寂しそうな子どもたち。

1か月弱、毎日優しく見守ってくれたお雛様に愛着を持ち、親しんでいたのでしょうね。1年間会えなくなるお雛様に手紙を書いて「箱の中に一緒にいれてあげて」と言ってくれた幼児もいて、桃の花のように可愛く優しい心に触れ、ほっこりと温かい気持ちになりました。

お雛様たちも、優しく思いやりのある子どもに成長していることを、きっと嬉しく思ってくれていることと思います。

 

これからも子どもたちが健やかに、優しい心を持ち、幸福な日々を過ごせますように・・・

井口