保育室でカブトムシを飼い始めてから4代目となるカブトムシが羽化しました。
昨年夏に卵から孵化し、おいしい土をモグモグ食べて大きくなった幼虫。
土を替えるたびに、「また大きくなってる~」と子どもたちと一緒に成長を見守ってきました。
最後の土替えのあとは毎年恒例、蛹(さなぎ)の様子がよく観察できるケースに移し替えました。
幼虫は蛹になる場所を探すために、ケースのなかをギシギシと音をさせながら動き回ります。
この音が聴こえてくるとそろそろ蛹になるころだと分かるようになりました。
土の中で上手に蛹室を作るとそのなかで蛹に変身。その姿は本当に神秘的です。
蛹になったあとも、モゾモゾと動くので子どもたちも毎日興味を持って見ていました。
観察しているとだんだんと蛹の色が濃くなってきます。
濃くなってくるとそろそろ羽化の時期なので、成虫になったとき用の飼育ケースを用意します。
子どもたちも「カブトムシのおうち作る?」と一生懸命手伝ってくれました。
霧吹きでシュッシュッと水もかけてくれました。これでいつ羽化してもOKです。
そしていよいよ・・・
まず立派なオスのカブトムシが土の上に姿を見せました。
初めて見た子どもたちは、「!!!」と言葉もなくじっと見つめていました。
そのあとは、絵本と見比べて「おんなじ!」と喜んだり、動く様子をじっと観察したりしていました。
「カブトムシさんのお誕生日だね」と保育士が言うと、「ハッピーバースデートゥーユー♫」と歌い出し、いつもお誕生会でしてもらっているように、「カブトムシさんおめでと~」と手をキラキラさせ、大きな拍手でお祝いをしてあげていました。
生き物を飼育することで、誕生を喜ぶ優しい気持ちが育まれていることをとても嬉しく感じました。
次に出てきたのは、メスのカブトムシ。
朝保育室に来ると、飼育ケースの蓋が少し動いている形跡があり、周囲に茶色い液体がついていたことから、もしかして羽化して逃げた?と土を掘り返してみると、やっぱりいない!
みんなであちこち探しましたが見つからずどこにいっちゃったのかな~と心配していると・・・。
「いた~!」ごみを集めていた保育士が、ゴミ箱にかけているビニール袋のなかに潜り込んでいるメスを発見!
オスと一緒に無事新しいお家にいれてもらい、毎日子どもたちが交代で餌のゼリーをあげてくれています。
最初は怖がっていた子どもたちですが、少しずつ触ることもできるようになってきました。
「ぼくはつかめたよ!」
この夏カブトムシと触れ合い、お世話をしていくなかで、どんな発見をするのでしょうか?
きっと子どもたちの心に響くもの、学ぶことがたくさんあると思います。
次の5代目に生命がつながるよう、みんなで大切にお世話していきたいと思います。
井口