節分が近づき、保育室の中でも鬼の話をすることが多くなってきました。
遊戯室の壁にも、鬼に変身した子どもたちがいっぱい。
「みんなのお腹の中には、何の鬼がいるのかな」
「怒りんぼ鬼かな?」
「泣き虫鬼もいるかも!」
「でも、豆を投げると鬼をやっつけられるんだよ」
そんな会話を楽しんでました。
そして節分当日。
いつも通り朝の活動を楽しんでいると、窓の外に何か青いものが!
青鬼が現れました。
いち早く見つけたRちゃんは大泣きです。
その他の子どもたちも、次々に鬼を見つけ保育室は大パニック。
でも、その時にいいことを思い出しました。
今朝、お守りに、と一人ずつ豆の入った袋をもらっていたのです。
それを思い出したMちゃん。
怖くて震える手でその袋を開け、何とか豆を投げます。
「おにはそと・・・」
なんとかつぶやくその声も震えています。
それを見て、他の子どもたちも次々に豆を投げ始めました。
「おには~そと!」
みんなで一緒に豆を投げると、それまで元気だった鬼が
苦しがり始めました。
今がチャンスです。
子どもたちも、豆を投げているうちに勇気がでたようで
どんどん大きな声で豆を投げられるようになってきました。
「おには~そと!!!」
ついに、鬼は苦しがりながら逃げて行ってしまいました。
鬼が去っていった後の保育室は、床中豆だらけ。
怖さに耐えて鬼をやっつけた子どもたちは、呆然としていました。
泣きながらも、怖い気持ちに打ち勝って、鬼を退治した子どもたち。
みんなのお腹の中にいた鬼も、すっかり退治されたことでしょう。
その後は、鬼が戻ってこないように、しきみとひいらぎを玄関に飾りました。
鬼が嫌いな、臭いイワシの頭付きです。
次は、福の神を保育室に招き入れます。
それは、子どもたちの大好きな、福の入ったお菓子拾いです。
大きな袋をもって、準備はバッチリ!
さっきまで泣いていた子どもたちも、今度はニコニコ笑顔。
さすが、福の神です。
たくさんのお菓子を拾い、袋をパンパンにしてとっても満足そうな顔を
していました。
福のお菓子を食べて元気が出た後は、お散歩に出発です。
保育室の近くには、鬼が住んでいると言われている、やまんば池が
あるんです。
もしかしたら、さっき逃げた鬼がそこにいるかもしれません。
そこの池に行くには、暗い階段を上り、草が生い茂る道を
進まなければいけません。
怖いから行きたくない、という子が多い中
「行く!」
と名乗りを上げたYくんとZくん。
みんなに見送られながら、池に向かいます。
暗いでこぼこ道を進んでいくと、池が見えてきました。
そして池の横には、トラ柄のぱんつがひっかけられていました。
やっぱり鬼は、この池で暮らしているのもしれません。
鬼に見つかってはいけないので、慌てて帰ってきました。
心配して待っていたお友だちに
「鬼のぱんつあった!」
と興奮気味に話すYくん。
怖さを乗り越えての冒険が、すごく楽しかったんだと思います。
鬼は怖いもの、と恐れられていますが、その怖い気持ちをを乗り越えて
退治することで、みんな一つ大きくなったように思います。
お散歩の帰り道は、みんなとってもいい笑顔で歩いていました。
保育室のみんな、鬼退治お疲れさまでした。
大城