木々のみどりが日ごとに青々としてきて
お散歩に出かけるのが気持ちのいい季節となりました。
そんな保育室の玄関脇には、
今年も「いちご」が植えてあります。
朝、お母さんと登園する時に、花を見たり実ができたかどうか
覗き込むのが楽しい日課となっています。
「そろそろ食べごろな赤いいちごが二粒あるから見に行こう」と
子どもたちと見に行ってみたら・・・
熟れたいちごに指でギュッと触ったような跡が
残っていたので、初採りとはなりませんでした。
その場にいたお友だちには、
「ギュッて触ると食べられないね~。
触るときはそっとやさしくね~。」と、
潰れてしまったいちごをあえて子どもたちに
見せながら伝えました。
保育室には、1~2歳の小さなお友だちが多いので
いちごに触ってみたい気持ちは十分理解できます。
私たちはいちご農家ではありませんし、あえて子どもの目や手が
届く場所で育てたいのでこれも想定内でした。
それでもがっかりしつつも初採りになるはずだった二粒のいちごに
さようならをして、「次に赤くなるいちごはどれかね~?」と
子どもたちと葉っぱの陰にかくれている実を覗いてみたり
「おおきくなあれ おいしくなあれ~!」
と気を取り直して声を掛けて一日目は終わりました。
しばらくすると、みんなの声掛けが効いたようで
赤く色づいたいちごがまた二粒実りました。
「今度こそ初採りだね~」と見に行くと
ついさっきまで真ん丸だった二粒のいちごが
それぞれ半分の大きさに・・・。
「えー、どうして半分なんだろう?」と
話していたら、近くで草刈りに来ていた会社のおじさんが
「さっき、鳥が来てたよ」と教えてくれました。
赤く実ったいちごをどこかで見ていた鳥が
おいしそうだな~と食べに来たようです。
さあ、困りました。初採りいちごはなかなか
子どもたちの口に入ることが出来ません。
本来ならば、網のようなネットを掛ければいいのでしょうが、
とりあえずいちごを植えているプランターを
ひなたから日陰に移動して鳥の視界から遠避けてみました。
せっかくいちごを育てているのだから
”食べ放題~”とはいかなくとも「一口はいちごを食べたいね~」が
子どもたちとの合言葉となり、玄関を通る時には、
今まで以上に熱心にいちごを覗くようになっていきました。
数日後、次に赤くなりそうな実にはナメクジが来ていました。
葉っぱや実にナメクジが通ったであろうキラキラした線が
輝いていました。これまた困ってしまいました。
相手はちっちゃなボディーのナメクジです。
急いでPCでナメクジについて調べると
”アルコールを少量だけ空き容器などに入れてそばに置いておくと
その匂いに誘われてナメクジが容器の中に入ってくる”と
なんだか信じられないような方法が書いてありました。
でも、こうなったらなんとかしていちごを食べたい一心の私たち。
半信半疑ではありましたが、書いてあった通りに罠を仕掛けてみました。
次の日、期待半分・諦め半分の気持ちで空き容器をのぞいたら
面白いくらいにナメクジたちが入っているではありませんか!!
子どもたちと、罠に引っかかったナメクジを眺めながら
感心してしまいました。
しばらくは、この方法で私たちの大事ないちごを
守っていきたいと思います。
初採りいちごが無事に子どもたちのお口に入る日も
そう遠くはない気がしてなりません。
森下