“おなかのなかにおにがいる”の絵本。
~小沢孝子 作 西村達馬 絵 ひさかたチャイルド~
節分の前から何度か読んだことがあるお話です。真剣に見ていた子どもたちに「みんなのお腹の中に鬼はいる?」と聞くと「いないいない!」と大慌て。
「野菜いやって言わないよ!」「おこりんぼもしてないよね?」
鬼の壁面飾りを見ながら、そんな会話のやりとりが何日か続きました。
節分の前日。鬼が嫌いな匂いがする『しきみ』の葉と、チクチクが痛い『ひいらぎ』を取りに出掛けました。
節分の準備はバッチリ!いつ鬼が来ても大丈夫!と言いたいところですが…
そして、2月3日『節分』当日。
「節分の日は、お腹の中にいる鬼を追い出して一年間元気に過ごせますようにと祈る日だよ。」
「明日は立春と言って、寒い冬から少しずつ春になるんだよ。」
そんな話を聞きながら、ちょっぴりソワソワ、ドキドキした表情の子どもたち。
『お守り』代わりの豆が入った袋、好きな色のものを一つずつ選びました。
お守りを握りしめ、絵本を見終わったその時です。窓の向こうに青い影!
そっと見に行ったFちゃんがぽつり…「鬼だ」窓から中の様子をじっと見る鬼。その鬼を見て固まる子どもたち。
「そうだ!お豆でやっつけよう!」「おには~そと!」と豆を投げ出したのはRくん。
「怖い、でもやっつける!」泣きたい気持ちをぐっとこらえ、勇気を出して豆まきです。
みんなの勇気と豆の痛さで、ついに逃げ出した青鬼。
「やったー!鬼を追い出したね!」ホッとした表情の子、鬼をやっつけられたことが嬉しくてスキップする子。
ソワソワ、ドキドキした気持ちはきっと大きな自信に変わったでしょう。
鬼を退治したその後は、しきみの葉っぱで豆を煎り「もう鬼が来ませんように」と玄関で豆まき。
鬼を退治した子どもたちには『福の神』がやってきました。
好きなお菓子を拾ったら「もうおしまい」と椅子に座る子、拾ったお菓子を友達にあげる子、なんとも微笑ましい光景です。
「明日から春、春のお花はあるかな?」と、豆まきの後に出掛けたお散歩。
やまんば池の近くで見付けたのは、木に引っ掛かった鬼のパンツ!
「まだ鬼がいるのかな?」心配そうに見つめる先に、もう鬼の姿はありませんでした。
春の花“ほとけのざ”も見付け、ホッとした温かな気持ちで保育室に戻りました。
昼食は『恵方巻』“のりまき”の絵本と同じように作ってもらいました。
~小西英子 作 福音館書店~
鬼を退治し、また一つ心が大きくなった子どもたち。
病気やけがをせず、元気いっぱい過ごせますように。
土戸