保育室の小部屋には、今まで絵本棚がなく、壁に立てかけたものを子どもたちが手に取って読んでいました。

そこで、会社の工務さんが、無垢の木で絵本棚を作ってくださることになりました。
子どもたちが一緒に作れるようにと、事前にパーツを作って準備してくださいました。
テラスにシートを敷き、集まってきた子どもたち。何が始まるのかな…と興味津々です。


家具を作ってくださることは子どもたちに伝えましたが、何ができるのかはまだ秘密。みんなで想像することにしました。

ビスで組み立てていく様子を、真剣な表情で見ています。
「階段みたい!」絵本を入れるラックの部分を見て、想像が膨らみます。

ビスがなかなか入っていかず、保育士が台を押さえる様子を見て、幼児が手伝ってくれました。

ビスを差すのを手伝ってくれる子どももいました。真剣そのものです!

そして、いよいよ形ができあがりました!
「あ!分かった!絵本入れるやつ!」「ピンポ~ン!」

絵本を入れてみて、さらに作るのが楽しみになったようです。
次に、ビスの穴をダボで埋めることになりました。
細い木の棒を差し、上から金づちで子どもたちと一緒に叩きました。
恐る恐る叩く子どもや、リズムよくトントンと打ち込む子どもがいました。

自分たちも制作に関わることで、やる気が増して子どもたちの目が輝きます。
今度は、穴埋めが終わった箇所を、サンドペーパーでこすります。
「木目に沿ってこすってね」工務さんに言われたとおり、見よう見まねで、木目を見て一生懸命こすっていました。


その後は、削った木の粉を布で拭きます。奥まで手を入れて・・・ゴシゴシ!

そして、最後の工程のニス塗りをします。子どもたちは、木目に沿って丁寧に塗っていました。
ピカピカに仕上がっていく様子を、嬉しそうに見る子どももいました。


いよいよ完成です!

「やった~!」と歓声が上がりました。
工務さんに「ありがとう!」と言って、ニスが乾くのを待つことにしました。
翌日、朝登園すると、絵本棚に近づき「乾いたかな?」と見て、仕上がっているのを楽しみにしていた子どももいました。
しっかり乾いたので、絵本入れ式を行うことになりました。
「好きな絵本を持っておいで」と保育士が言うと、それぞれ好きな本を選んで持ってきました。

そして、一人ずつ本棚に入れました。
向きを考えながら入れたり、丁寧に入れたりする子どもたち。


自分たちで作った絵本棚だからこそ、大切にしようという気持ちが動いたのだと思います。
今回の絵本棚づくりのように、子どもたちが参加できる体験をすると、見ているだけよりも記憶に残るといわれています。
このような貴重な体験を通して、チャレンジして作り上げた達成感や、楽しかったという思い出が、子どもたちの心に刻まれたことと思います。
これから愛着を持って、大切に使ってくれることを願っています。

岡﨑