保育室の壁には、鬼に変身した子どもたちが飾られています。
泣き虫鬼、怒りんぼ鬼、好き嫌い鬼などがくっついて
みんなの頭から角が生えてしまいました。
2月2日、今日は節分。
みんなにくっついた悪い鬼はやっつけられるかな。
先日採ってきた、鬼が嫌いなヒイラギを飾ろうと準備をしていると
”ピンポーン”とチャイムの音が。
でも、モニターを見ても誰もいません。
”誰か来たのかな？”と玄関まで見に行った子が血相を変えて戻ってきました。
そこには、青鬼がいたのです。
子どもたちは大慌て。
スタッフの後ろに隠れる子、ロッカーの中に入り込む子
怖くて立ちすくむ子・・・とにかくみんな大騒ぎ。
青鬼はそんなことはお構いなしで、どんどん部屋に入ってきます。
そして、自由気ままに遊び始めます。
おままごとを始めたり、ピアノを弾いたり、お人形を抱っこしたり。
そんな様子を、怖がりながらもじっと見つめる子どもたち。
なんとか鬼を追い払いたいのですが、なかなかそのチャンスがありません。
そのうちに、鬼が子どもの布団で居眠りを始めました。
今がチャンス！
鬼をやっつける時です。
飾る途中だったヒイラギを持って、寝ている鬼をつつきます。
それまで怖がって隠れていた子も、ヒイラギで戦うスタッフを見て
”がんばれー”と大きな声で声援を送ってくれます。
ヒイラギでつつかれ、さすがの鬼も目を覚まし痛そうに暴れます。
そこですかさず豆をぶつけます。
”鬼は外！！”
それまで怖がっていた子も、大きな声を出しながら豆を投げてくれました。
豆をぶつけられた青鬼は、たまらず外に逃げ出します。
”鬼は外！！！”
大きな声を出しながら鬼が逃げた窓から豆を投げると、やっと鬼の姿が見えなくなりました。
その後は鬼が戻ってこないよう、しきみで豆を炒り、臭いにおいを出します。
玄関にヒイラギを飾り、最後に玄関から豆をまきました。
これで、もう鬼は戻ってこないでしょう。
鬼を退治した後、今度は福を呼びます。
福の神からもらったお菓子をみんなで拾います。
”福は内！”
鬼の時とは打って変わって、とっても嬉しそうな顔で福のお菓子を拾う子どもたち。
これは、特別なお菓子。
皆に福がきますように、と願いを込めておやつに頂きました。
突然やってきた鬼に驚き怖い思いもしましたが
節分という、大切な節目の行事を体験することができました。
みんなの中にいる悪い鬼をやっつけられたかな。
節分が終わった後、壁に飾られた子どもたちの顔には
にっこり笑った福の神がついていました。
もちろん、角なんてどこにもありません。
今年も福の神でいっぱいの毎日になりますように。
大城
